きぶなの伝統をただお一人で守り続ける、「ふくべ洞」小川昌信さん

皆様こんにちは、ニッポンマーケットSTAFFです。
 
 
 
 
今日はきぶなの張子を手掛ける職人の「ふくべ洞」の小川昌信さんの手記が新聞に掲載されていたので、
そちらより、きぶなの技術継承にまつわるお話をご紹介できればと思います。
 
 
 
 
昨年からのコロナウイルスの影響で再注目されているきぶなですが、
作っているのは小川さん、ただお一人。

四半世紀に渡り、宇都宮の伝統をお一人で守り続けていらっしゃいます。
 
 
 
そもそも…
きぶな(黄鮒)は江戸時代から縁起物として宇都宮に伝わる郷土玩具。
 
疫病が流行した時、市内の田川で取れた黄色の鮒を食べたところ人々が助かったと言われています。
 
現在では厄除け、無病息災を祈り、毎年新年に神様に供えるようになっています。
 
 
 
 
 
 
 
 
お顔が赤いのは「魔除け」の意味が込められており、
また、体に描かれた線は3本、背びれは5本、と奇数でこれも縁起を意識しているそう。
 
 
小川さんはきぶな作りを始めてから、
昔の人の色彩感覚の鋭さに感激したそうです。
 
きぶなは頭だけでなく、黄色の胴体と黒い背びれの間にも赤い線が入っています。
黄色と黒では目にきつくなるところを、赤を少し入れるだけで印象が和らいでいます。
 
また、尾びれの縁に入れる全粉の模様もセンスが光ります。
 
 
 
 
 
 
 
 
ー小川さんがきぶな作りを始めるまでー

小川さんのお若い頃には農家の副業として作っていた地域もあったそうですが、
徐々に減り、30年前には浅川仁太郎さんという方だけになっていました。
 
元々、小川さんのお父様は夕顔の実を使って、炭入れやお面を作る、「ふくべ洞」の職人さん。

現在と同じく、お店には浅川さん作のきぶなも取り扱っていたそうですが、
浅川さんが亡くなると、きぶな作りは途絶えました。

一度途絶えたきぶなの伝統ですが、民俗学の先生の強い要望を受け、
小川さんは伝統を継承することを決意されたそうです。
 
 
 
 
とは言っても、ふくべ細工の技術と、きぶなの張子の技術では全く違います。

小川さんは福島の三春張子の職人さんに作り方を教えてもらいに行ったそうです。
 
 
水を含ませた筆で和紙をなぞり、ちぎって木型に張り付けるところから始まります。

そして、成型した紙のきぶなに膠でヒレなどをつけ、貝殻で作った顔料・胡粉を塗ります。

今は、型取りなどを機械化する郷土玩具もあるそうですが、
「手仕事で残ってきたのが伝統工芸だという思いがある」と小川さんは仰っています。

「地元の方が買い続けてくれたから、やってこれた」という小川さん。
小学校の体験授業などでも、次の世代にきぶなの意味を伝えていらっしゃいます。
 
 
 
 
 
 
 
 
きぶなの伝統の裏にはこんな物語があったんですね!
 
小川さんのきぶな作りへの想い、
そのきぶなを飾る人の想い、
誰かを想ってきぶなを贈る人の想い、
といろんな方の願いが込められて、今なお続いている伝統だと思うと、温かな気持ちになりました。

みんなの優しい想いが世界中に広まって、平和な時代が戻ることを祈るばかりです(´・ω・`)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
【おまけ】
 
STAFF愛犬きらりさんにも「無病息災」を願い、プレゼントしました!
 
お陰様できぶなちゃんに見守られ、すくすくと育ちましたよ(´ω`*)
 
きぶなちゃんがお気に入り過ぎて遊んじゃうので、届かない所に普段はいます。
 
【 2021/02/27 お知らせ 】